【補足】このページはコンテンツ発表当時の文章を2020年8月ウェブサイト更新に伴い再編集したものです。基本的には当時の表現を保持していますが販売価格やリンクなどは一部削除しています。
ファーストアルバムリリースから4年、
クッキーハウスのセカンドアルバム
きいてみよう。クッキーハウス02
〜日本の童謡・唱歌集〜
が、ついに完成しました。
ジャケットイラストは、01に引き続き
はまのゆか
さんです。
【アルバム解説】
本作品は誰もがよく知る童謡唱歌を集めた、器楽合奏ユニットクッキーハウスのセカンドアルバムである。
(Amazon&全国流通商品紹介の記載から引用)
アンサンブル使用楽器はピアノ、トイピアノ、オカリナ、リコーダー、鍵盤ハーモニカなど。素朴な楽器の音色とハイセンスな楽曲アレンジが巧みに融合している。
歌詞の無い音楽の世界だが、むしろそれ故に原曲の世界観がナチュラルに表現されており、それはまるで「音の風景画」の様である。
小さな子供には親しみやすく、また大人にはどこかノスタルジックな、全ての年齢層に訴えかける珠玉の名曲集である。
【曲目リスト】
01. う み(井上武士)
02. みかんの花咲く丘(海沼實)
03. 朧 月 夜(岡野貞一)
04. 通りゃんせ(わらべうた)
05. 荒城の月(瀧廉太郎)
06. こ の 道(山田耕筰)
07. 夏の思い出(中田喜直)
08. 赤とんぼ(山田耕筰)
09. ちいさい秋みつけた(中田喜直)
10. 夕焼小焼(草川信)
11. 七つの子(本居長世)
12. も み じ(岡野貞一)
13. 浜辺の歌(成田為三)
14. ふるさと(岡野貞一)
15. もういいかい(杉本徹)
( )は作曲者
このアルバムが出来るまで
(文: ツネおにいさん)
はじめに〜童謡・唱歌との対峙〜
2017年3月4日、和歌山県すさみ町立見老津小学校の廃校に伴う「お別れ会」に、
クッキーハウスで出席した帰り道、偶然に通り掛かった「日本童謡の園」に、
ふと立ち寄りました。
広い公園の敷地内には有名なあの歌この歌の石碑(歌詞)が点在し、
センサー式やボタン式で音楽が流れてくる場所もあります。
細い、曲がりくねった坂を登り切った、そのとき
私たちの眼前に拡がっていたのは、銀色の海でした。
雲と溶け合うような水平線、
キラキラと白く細かく輝く波、
遠く近くに見える、数隻の船、
断崖を吹き上げ、頬をなでる風。
「あぁ、『うみ』って、こういう歌だったんだ。。。」
その時、私たちが佇んでいた現実は
間違いなくあの「うみ」の世界でした。
現代、失われつつあるものも多々あるのでしょうが、
思えば誰もが口ずさむ童謡・唱歌には、
薄っぺらい絵空事ではない、多くの人の人生や心に沁みる
現実、現世界、原風景が、必ず存在します。
(今と連続する歴史、と換言可能かも知れません。)
そんな深淵で素晴らしい童謡・唱歌の世界と
どっぷり向き合い完成したのが、このアルバムです。
選曲について
童謡・唱歌についてクッキーハウスメンバー内でリストアップする際、
利用したのが「日本の歌百選」でした。
メンバーが各々独自にリスト内にマル印をつけ、
上限も決めずに3人一致で「マル」が付いたものが14曲。その後
「杉本徹作曲の『もういいかい』も是非入れたい!」
というミワコおねえさんの提案により15曲がアルバム入りしました。
各曲(原型)の制作方法〜基本レシピ〜
アルバム中の12曲は「ピアノを伴う」楽曲ですが、
その制作方法は大変ユニークなものとなりました。
まずトオルおにいさんによるピアノ部分が、完全に先に出来上がります。
それを受けて、ツネおにいさんが使用楽器を選択、メロディおよび
ハモりパートの制作へと進んでいく、というものです。
ここでトオルおにいさんからのコメントをご紹介。
たとえば「うみ」という曲を歌うとき
『海は広いな大きいな~♪』という歌詞を通じて
海の広さや沈む夕陽を想像するかと思います。
もしこれが歌ではなく楽器の演奏なら
歌詞を思い出しながらでも、歌詞にとらわれなくても
より自由に「うみ」を描けるのではないでしょうか。
今回収録している作品(12曲)はすべて、そんな風に
元々の歌詞からだけではなく、そこから広がる世界や
私自身が持つ記憶など、様々なものをテーマに
曲の背景(ピアノ伴奏)を描きました。
また、イントロや間奏についても
楽曲のイメージを決める重要なパートとして
歌詞ありきのものとはまた違うアプローチで
新たなオリジナルのものを創作しました。
と、準備を整えるところまでが私の仕事です。
あとは登場人物たち(メロディー)の出番を待つだけです。
さてここからはツネおにいさんの仕事。
既に楽曲のサイズ、キー(調性)、前奏・間奏を含めた
曲のテイストが仕上がっている状態にメロディーやハモりをはめ込む・・・
これはやり辛いかというと、案外そうでもなく(笑)
例えば「赤とんぼ」。
トオルおにいさんから送られてきた音源は、いわば風景写真です。
(動画というイメージのほうが正しいかも知れません。)
そこには晩夏の乾いた空、
一面に拡がるススキの丘が拡がっています。
私はそこに、1匹なり2匹なりのトンボを飛ばす・・・。
風に吹かれながら、ホバリングしたり
あるいはスッと何処かへ行ったりする、
あのトンボの動きを描けば良いのです
プリプロから音源へ
トオルおにいさんのピアノ音源に、
ツネおにいさんによる各種楽器の演奏を入れる・・・。
ここまでが「曲作り(プリプロ)」という段階です。
意外かも知れませんが、
この段階ではまだ「楽譜」は、一切存在しません。
プリプロとして一旦「音楽」が完成したのち
ツネおにいさんによる各種楽器の「楽譜化」がおこなわれ
楽譜という媒体が誕生します。
やってみよう。
これがクッキーハウスのコンセプト。
なので広く多くの人に楽しんで(演奏して)もらいたい!
楽譜は、そのためにあります。
と言いつつ(笑)その楽譜を見ながら、
いろいろ書き込みながら、何度も練習をして、
「録音」となります。
録音について
今回、録音は「トラック別」におこないました。
「トオルおにいさんのピアノ」トラックに、
「ツネおにいさんのオカリナ」トラック、その上に
「ミワコおねえさんのリコーダー」トラックを重ねていく・・・
という手法(多重録音)です。
ちなみに前アルバム(きいてみよう01)は
3人が実際にアンサンブルしたものを録音しましたが、
これは制作コンセプトというか、それぞれの良さがあると思います。
「きいてみよう01」は実際のクッキーハウスのライヴ感を
CDでも味わって、楽しんでほしいというコンセプト。
「02」はより繊細な表現を、じっくりと味わって頂けると思います。
そしてCD完成
本気でガッツリ録音したのち、
「編集」「マスタリング」という作業があります。
エコーをかけたり、ステレオの定位をつけたり、
とにかく色々細工(ぅおっと)したあと、
2chの、普通にCDで聴ける形式にします。
ここまでは全部、私がやります。
勿論チェックはメンバー全員でやります。
ここまで来れば、あとはCDプレス業者に発注→完成です。
はまのゆかさんのジャケット
CDという物体にとって忘れてはいけないもの、
それは「ジャケット」です。
ジャケットのイラストは前回に引き続き
はまのゆか
さんに、描いて頂きました。
「もういいかい」の世界観を表現した、
とても素敵なジャケットに仕上がりました。
今回のアルバムはAppleMusic(配信)で視聴可能ですが、
どうか、物体バージョンの「CD」を、是非お求め下さい。
おまけ:時系列
(2020年1月2日追記)
今回のCD、部内コードは「MiRoDsu(ミロズ)」。
把握できた範囲で時系列を公開しましょう〜。
2017年3月4日、「日本童謡の園」からインスパイアされ
漠然と「クッキーで童謡をやろう」と決意する。
その後、表面的な進展はありませんでしたが各々の試行錯誤の結果
2019年1月28日に今回の楽曲制作方針が決定
1月29日 初期段階候補曲7曲が決定、
1月30日 最初の1曲「ふるさと」のプリプロ完成、
2月7日 「日本の歌百選」のリストを部内回覧し14曲を選出
6月1日 「もみじ」で全プリプロ完成、
8月7日 マスタリング最終完成
8月9日 ジャケット等ビジュアルデザイン完成
8月27日 製品受け取り
こうして「きいてみよう02」が、めでたく完成いたしました。
楽曲解説
解説: ツネおにいさん
01 うみ
作曲:井上武士
編成:ピアノ伴奏/
リコーダー(A.→S.)/オカリナ(トリプルAC)
アルバムのオープニングはこの曲から。
この曲があったから、そして「日本童謡の園」での体験があったからこそ
このアルバムが出来たといっても過言ではないでしょう。
この曲はアルバム一連の楽曲制作順としては2番目に出来上がりました。
そのため笛組アレンジ(この曲ではリコーダーとオカリナ)が
非常にシンプルですが、
アルバム1曲目にまずは杉本徹のピアノを存分にお楽しみいただきたく、
敢えてこの構成に落ち着きました。
02 みかんの花咲く丘
作曲:海沼實
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(A.→SN.)/リコーダー(A.→SN.)
この曲の元々のモデルは、静岡県のそれだということらしいですが、
クッキーハウスにとっての「みかんの花咲く丘」は、
何といっても和歌山県の有田です。
有田にはご縁があり、毎年クッキーハウスで訪れます。
みかんの花咲く時期、実際に香る微かな柑橘系のにおいや、
みかんに関する蘊蓄など、様々なことを教えてもらいました。
クッキーハウスがどれたけ有田が好きかというと・・・
上記はプリプロ段階の音源制作画面です。
私にはこれが「有田の風景」に、見えるんですよ。
わかります? 海と、横筋の入ったみかんの山々です(笑)
・・・音楽は、想像から始まります!
さて、みかん山のほうに近づいてみましょう。
みかん畑の上空をドローンで飛んでいるような感じを出したく、
前奏や間奏にミニマル的な三連音形をあしらってみました。
ちなみに最初はリコーダーとオカリナの編成で書き上げましたが
オカリナ(トリプルAC)の音域的テンションがマッチせず、
ならばと完全にリコーダー二重奏曲に作り直しました。
03 朧月夜
作曲:岡野貞一
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(A.→S.)/オカリナ(トリプルAC)
トオルくんから、「出来ました」の連絡・・・
共有クラウドを覗くと、そこには
「○○(曲名)」という楽曲ファイル(ピアノ伴奏音源)が・・・。
そう、トオルくんからは「何処をどうしてくれ」等の
一切の指示はありません。
でも大丈夫! 全ては彼の書いた音楽のなかに収まっています。
「朧月夜」の、あの日本の原風景のような世界観とDebussyの「月の光」
を彷彿とさせるような雰囲気が見事に溶け合っている・・・。
そのインスピレーション通り、一気にアレンジを書き上げました。
笛デュオの平行音形や2度音程も、少しエッジになっているかと思います。
04 通りゃんせ
(わらべうた)
編成: トイピアノ(Michelsonne)/
鍵盤ハーモニカ(PRO-37)/オカリナ(トリプルAC)
「ピアノ伴奏と笛デュオ」という編成の楽曲群に何曲か例外を置きたく、
この曲についてはアレンジも演奏も私が単独で仕上げました。
まずオカリナでメロディ部分を完全無伴奏フリーテンポで録音し、
その後、冒頭部分のトイピアノを同じくフリーで録音、
最後に鍵盤ハーモニカでコード付けしました。
どこか謎めいていて、少し不気味さすら感じる、
独特の雰囲気を持つ小品となりました。
05 荒城の月
作曲:瀧廉太郎
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(T.)/オカリナ(トリプルAC)
「通りゃんせ」から「荒城の月」へと繋がる曲間は、
クッキーハウスメンバー内では
「ディープにエモい」局面として語られます。
アルバム制作開始当初、私は「オカリナとリコーダーのデュオ」で
アレンジ展開(楽譜集のことも考えて)をするつもりでしたが・・
この曲あたりからもう、その展開はあっさり放棄し(笑)
「イメージの赴くまま楽器を選択」と方針転換しました。
「荒城を薄明るく照らす月光」といった風景描写に加え、
そこに漂う歴史や、訪れる人の心象をオーバーラップさせてみました。
尺八や能楽を想起させる音色や効果音(風・梟)も含め、
トリプルオカリナとテナーリコーダーだけで表現しています。
06 この道
作曲:山田耕筰
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(A.)/オカリナ(トリプルAC)
トオルくんから珍しく
「テーマはロードムービーです」というヒントをもらい、
私ならこの楽曲でどんな映画を撮りたいか、考えてみました。
【・・・あれは、何処だったのだろう、
主人公が幼少期に過ごした思い出の場所、
微かな記憶を辿り、その場所へと近づく・・・
交錯する記憶、それはやがて鮮明化し、
ついにその地に立った時、主人公は大切な人と交わした
ある約束を思い出す・・・。】
「曖昧な記憶」を表現したく、
前半はメロディとハモりをバラバラに断片化しました。
リコーダーとオカリナがそれを縫うように辿っていきます。
ちなみにこの曲のピアノは「ノークリック進行」です。
つまり一定テンポのクリック音に沿って音楽が進行するのではなく
トオルくんのグルーヴの赴くまま、テンポが微妙に揺らいでいます。
ノークリック進行のレコーディングは、
そこから後が大変なんですけどね〜(笑)
07 夏の思い出
作曲:中田喜直
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(A.)→アンデス/オカリナ(トリプルAC)
このアルバム中、2曲が「中田喜直作品」です。
意識して類別した訳ではないのですが
「夏の思い出」ではオカリナとアンデスで清涼感を、
「ちいさい秋みつけた」ではオカリナと鍵盤ハーモニカで
秋に漂う哀愁を、各々表現できたかと思っています。
曲の後半に出てくる、ひぐらしの声。
これ、案外簡単に「演奏」できます。
トリプルオカリナでは第2管のDと第3管のEを同時に、
アンデスでは高音部の隣接する2音を同時にトゥクトゥクと吹けば、
ひぐらしが出てきます。 お試しあれ!
ちなみに間奏部分にもうひとつの「夏の思い出」が隠れています。
わかるかな・・・?
08 赤とんぼ
作曲:山田耕筰
編成: ピアノ伴奏/
鍵盤ハーモニカ(S-27H)/鍵盤ハーモニカ(PRO-37)
鍵盤ハーモニカは「フリーリード」、
リコーダーやオカリナは「エアリード」という原理で発音します。
トンボの飛ぶ(滞空する)様子を想起・表現するには
フリーリード独特の「ヒーン・・」と遠鳴りするような、
あの音色がマッチするように思えます。 あとは、アレンジ。
「ピアノ伴奏と管楽器デュオ」という方法論の転用は、利きません。
かといって「ピアノ・鍵ハモ・鍵ハモ」の構成で迂闊に音数を増やしても、
いいアレンジには成りません。
鍵盤ハーモニカというのは非常に何でも出来る楽器で、それだけに
造り出したいサウンド感をしっかりとイメージしておく事が大事です。
まぁそんな理屈は後付けで・・・実際には
「杉本徹の描いた風景画にトンボを飛ばす」という事をしただけです。
09 ちいさい秋みつけた
作曲:中田喜直
編成: ピアノ伴奏/
鍵盤ハーモニカ(S-27H)/オカリナ(トリプルAC)
個人的見解ですが、
この曲で最も印象的なフレーズ、それは歌唱部ではなく
前奏や間奏至る所に出現する、あの強烈な「リフ」です。
只これについては「原曲を再構築する」というポリシーから言うと
グレーゾーンです。 予想通り、トオルくんのピアノ音源からは
一切このリフの欠片すらもきこえて来ず・・・。
ならば彼は当該リフを私に託しているのだろうと
笛組アレンジの中に、しっかり素敵に仕込んでおきました。
10 夕焼小焼
作曲:草川信
編成: 鍵盤ハーモニカ(P-37D)/鍵盤ハーモニカ(PRO-37)
トイピアノ(Michelsonne)/トイピアノ(KAWAI)
この曲は「通りゃんせ」と同様、「ピアノ伴奏を用いない」楽曲です。
アレンジ、演奏は全て杉本徹の手によります。
極めてシンプル、そして繊細な魅力を持つ楽曲に仕上がりました。
文面では敢えて詳しく書きませんが、上記の制作画面にはサウンドの秘密が
ぎっしり詰まっています。
11 七つの子
作曲・本居長世
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(A.)/オカリナ(トリプルAC)
夕日にかすむ山々の稜線は幾重にも重なり、
白からオレンジ、そして紺色へと変わってくグラデーションのようです。
トオルくんのひたすらオスティナートな右手の彼方へ、
ただ、カラスが我が子の元へと帰って行く・・・。
あれこれ試行錯誤しましたが、出来上がった笛組アレンジは
とてもシンプルなものでした。
リリース以降、実際のライヴで何度も演奏しましたが
この強烈にストレートなメロディが心に響くことを、
その都度、実感します。
12 もみじ
作曲:岡野貞一
編成: ピアノ伴奏/オカリナ(AC)→リコーダー(S.)/
オカリナ(トリプルAC)→リコーダー(A.→SN.)
クッキーハウス史上初めての「オカリナデュオ音源」となりました。
録音実施時、ミワコおねえさんは本当にまだオカリナを始めたばかりで
ちょっと辿々しい所もありますが、それがかえって我々クッキーハウスの
成長記録のようにも思えます。そう、記録とは過去のモノなのです。
さてクッキーハウスにとって「もみじ」といえば、
宍粟市の「もみじ祭」そして山崎商店街からもみじ山へと向かう、
パレードです!!
ミワコおねえさん作曲の公式パレード曲「しそうよいマーチ」の
メロディも、しっかり笛組アレンジに入れておきました。
13 浜辺の歌
作曲:成田為三
編成: ピアノ伴奏/
ユーフォニアム/鍵盤ハーモニカ(PRO-37)
実はこの曲はトオルくんのアレンジをもらう前から漠然と
「ユーフォでいこう」と思っていました。
当然ながらそんな事前擦り合わせはありませんでしたが、
出来上がったのはジャズテイストのコード感を伴うピアノに
ユーフォニアムと鍵盤ハーモニカの音色が溶け合う、
なんともしっとりとした楽曲となりました。
ちなみにこの曲の鍵盤ハーモニカの全フレーズ、
1.プリプロ段階で私が演奏、作譜したものを
2.トオルおにいさんがそのまま演奏して録音
3.ライヴではミワコおねえさんが演奏 しています。
14 ふるさと
作曲:岡野貞一
編成: ピアノ伴奏/
リコーダー(S.)/オカリナ(トリプルAC)
今回のアルバムの制作順では第1曲目がこの曲です。
当初、正直ここまで壮大な作品群展開になると私は思っておらず(笑)
笛組アレンジは超シンプルです。 「うみ」同様、
前奏や間奏のピアノを十分に楽しんでいただけましたら幸いです。
15 もういいかい
作曲:杉本徹
編成(メイン部分): 鍵盤ハーモニカ(P-37D)/
鍵盤ハーモニカ(P-37D)/リコーダー(S.)
日本の童謡・唱歌を集めて構成されるCDに
杉本徹作曲の「もういいかい」を入れる、
というミワコおねえさんの発想の柔軟性は流石です。
私が最初にこの曲と出会ったのは2016年の春、
当時YouTubeに毎週鍵盤ハーモニカデュオの新曲をアップする
という「BOWプロジェクト」を進行中で、「もういいかい」は
そのなかの8作目にあたります。
ある楽曲が生まれそれを最初に共有できる事を幸運に感じると同時に
鍵盤ハーモニカデュオのセカンド奏者として課題に追われる毎日でしたが、
この曲を初めて吹いたときの感動を、今でも覚えています。
「もーいーかーい」と子供が遊んでいるようなキャッチーなフレーズ、
それでいて流れるような美しいメロディ、
郷愁をそそるハーモニー、揺さぶるような中間部・・・。
そのときは理屈ではなく、瞬間「ヤバい!」と思いました。
以降、三重奏版にもアレンジしてもらい、
今ではクッキーハウスの定番レパートリーです。
このCD中の名だたる童謡唱歌たち各々に誕生にまつわる物語があり、
多くの人に愛され育てられ、今に至ったのでしょう。
私たちクッキーハウスの「楽器で奏でる童謡 もういいかい」もまた、
多くの人に愛され、育ってほしいと思います。